“君はどう?”
荒っぽい彼女の字が僕に問いかけてくる。
手紙でやり取りするのは これで何回目だろうか。
彼女からの手紙が楽しみで、毎日何度も郵便受けを確認してしまう。
顔も知らない
会ったこともない
そんな彼女が、手紙の文字から生きていることを感じる。
お世辞にも綺麗とは言えないが、毎度毎度この生きた文字が 僕の胸を締め付けてくる。
稲穂色をしたインクで書かれた文字は、ところどころ かすれたり にじんだり 間違えたであろう部分は ぐりぐりとぬり潰されていたりと、彼女が手紙を書いていた時の空気を感じる。
僕が手紙を送ってから1ヶ月がたつ。
君からの手紙はまだ 来ない。
最近、君はどうですか?
とても忙しそうですね。