「人見知りだ」
と
言ったあの子は、
私以外の人にはよく喋るし
よく笑う。
僕たちが出会ったのはいつだっただろうか
僕の知り合いの知り合いは僕の知り合いで、
それを知った時には
「世間は狭い」というよくある言葉が立証されたと感じた瞬間だった。
僕の好きだった人の恋人になった君。
性格が悪く、両刀の僕は
好きだった人から君を奪ってやろうと思った。
そんな馬鹿な事を考えているうちに
馬鹿な僕は本当に君を好きになってしまった。
本当に僕は馬鹿だと思った。
何度か会って話もした(ほとんど一方的に)
頷いたり、小さな返事しかしてくれない君は
僕に「人見知りなのだ」と言った。
嘘だ。
嘘だった
大きなステージで喋ったり
初対面の人に気さくに話をしたり
僕の前で君は君じゃなかった
不安になった
君の前で僕は僕をやれているかな