どうでもいいこと

あなたにとってはどうでもいいこと。

首輪

嬉しいこと 楽しいこと 新しい出会い 親密、交際 わくわく、どきどき 私にとって、こういうものたちは 近くにおいてはいけないもの。 私、なんかが。 周りにいてくれる人たちが いい人ばかりで、忘れてしまいそうになっていた。 代わりはいくらでも 幸せにな…

5月半ば

夜の予定をドタキャンされた。 胸がざわざわする。昼間の仕事を終え、待ち合わせの場所に既に向かっていた道中の事だった。 額の汗を拭い、ドタキャンを埋め合わせるようにふらふらと本屋に入る。 2時間程、店内をうろうろする。今日は、買うつもりのなかっ…

空腹

バスに揺られながら、友人に会うため北へ向かう。 等間隔に配置された 小さなオレンジの光だけが灯った車内は、まるで映画の「デスゲームに連れて行かれる道中」のようだ。知らんけど。 北へ向かうのも、夜行バスに乗るのも、デスゲームへ向かう道中気分を味…

静謐

思い出して欲しい 大切な人を亡くした時のことを 思い出して欲しい 大きな地震が来た時のことを 思い出して欲しい 戦争が起きた時のことを 思い出して欲しい 小さな命が理不尽に奪われてしまった時のことを 思い出して欲しい 早朝東の空が白んできた時のこと…

もうこのまま春は来ないのではないかと 思うぐらい長く感じた冬も、 気がつけば 遠く 後ろの方にいた 3月、電車や街中で着物などの 晴れ着姿の若い子たちを見た 4月、慣れないスーツや制服を着た集団が歩いている 5月、 みんな幸せであって欲しい みんな み…

案外大人になってみたら 大人になっても子供みたいな人は沢山いるし 大人になっても大人になれるわけじゃないって気づけたから 気張らずいけるならいきたい こういう大人になりたいって人を1人でも多く見つけたい

明薄

ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めてから一年がたった あの子が死んでから半年がたった あいつと連絡が取れなくなって6年がたった 記憶はだんだん薄くなっていって 最後には何もかも忘れてしまうんだろうな 顔も名前も声も思い出も そのくせ、嫌な事や目を…

振り聴

つらいことがあっても 嬉しいことがあっても 悲しいことがあっても 楽しいことがあっても 例外なくいつか終わりはくるのだから 不安にならなくても良いのだよ 恐るな そう思いたいのに、いつも最悪の事態を想定してしまう。 例外なくいつか終わりはくるから …

また出かかったものをぐびっと飲み込んだ余計な考えと一緒に付け足して膨らまして扱いづらくなったものだから飲み込んでも喉に突っかかるし胃に落ちたとしても重く中をかき回す そうやってまたお腹が痛くなるのだ

子守唄

人類が滅亡すれば良いと思うのと あなたには健やかでいて欲しい と思うのは 矛盾していますか?

蒸発

行き先も決めず 電車に乗って 持ち物もたず 身体ひとつ 知らない場所へ あれこれ言い訳を 切って貼って並べて 仕事もプライドも捨てて 酒におぼれる ああ どうして なんて考えても おそいよな 毎日ちょっとずつ集めた 悲しみで 丁寧に編みあげた縄で 君のい…

開けた窓から聞こえる神輿の声 鐘の音と一緒に段々と遠ざかっていく 今日は雨予報だった事を忘れるぐらい外は眩しい こんな日に死にたい でも夏はちょっと嫌だな

負目

隣の芝は青い 『青く見える』のではなく、 間違いなく『青い』のだ。 それは自分が手入れをしていないから 土は乾き 雑草は生え 栄養など遠になくなってしまった 全部自分が悪いのだ 比べられる隣人にも失礼な気すらしてくる だが、ここまで来ると 何から手…

濡れた地面を走る車の音がする 窓を閉めていても聞こえる酔っ払いの話し声 人生最後に聞く音も、きっとこんなもの。

ニガツ

気がつけば朝5時を回ろうとしていた。 知らぬ間に気になっていた映画は公開終了していた。 季節が冬から春に変わろうとしているのを、 通りかかった花屋に並ぶ桜の枝で知った。 毎日少しずつ沈んだり浮いたりしながら ここまで生きながらえてしまった。 つら…

言葉は枯れた

まわる

まわる まわる 季節はまわる 草木は枯れやがて実がなる 景色もかわる ニオイも変わる 自分のくしゃみで目が覚める あんなことやこんなこと 楽しい記憶も全部忘れる ふとした時に思い出す 苦しい記憶が息を止める 使った食器が山になる タバコの灰も山になる …

戯言

今年は蝉の死骸を道端で見なかった 時々、何かのきっかけで死んだ人のことを思い出す 布団に寝かされたその人達は皆、いつか博物館で見た蝋人形のようで、数日前まで生きていたようには見えなかった 火葬場の空気、音、匂い スイッチを押す時の緊張 私が死ん…

メモ

感情は 感じた瞬間から劣化する 別の媒体に移した瞬間から 違うものに変わる 何も言わずに海に入ることを選択した彼には 海に入る勇気など 死んだ友人に比べればとても小さいものだと思ったに違いない 死んでなんになる 自分が楽になりたいのか 友人が味わっ…

トイレにこもって数時間 狭い個室でぐしゃぐしゃになりながら 泣くことしか出来ん クソみたいな人生だ

アをる

中身の詰まった “抜け殻” 背中の鮮やかなブルーが透けていて 大人になった姿をつい想像してしまった もう未来なんてないのに 環境ばかり恨んでる自分との決定的な違いは 中身が詰まっているか 詰まっていないか 厚さ2ミリにまで押し潰されて死んだ 駅に繋が…

ヨメイリ

雨の音をききながら 思い出すのは嫌いなあのこ 転んで膝をすりむいて 血と雨混ざった あわい色 こつこつこつこつ 靴鳴らし コンコン きつねが鳴いている 濡らした袖口ふりながら 誰かが歌をうたってる かすんだ目の前 暗闇を すーっと通る かげひとつ 忘れた…

永縁

私のことは私にしか分からない 遊んであげるから こっちにおいで 何も教えてあげないけどね

滑空

雨の音を聞きながら 思い出すのは嫌なことばかり 学校帰り、同い年の男の子の集団に 悪口を叫ばれたこと 好きな漫画家さんの絵を下手くそだと言われたこと 沢山人がいる中で、容姿が老けていると言われたこと 面倒くさいと話を遮られ置いて行かれたこと きっ…

まどろっこしいことは抜きにして、 僕は早く死にたいんだ

羊虫

リハビリを少しずつ始める。

中指

仕事が長期の休みになるタイミングで 体調不良が悪化した 一二時間おきに目が覚める夜は気持ちが悪い 常に自分が今寝ているのか起きているのか分からない 時間が全然進んでいない気がして良くないと分かっていながらスマホに手を伸ばしてしまう 明け方空が明…

褪せる

オレンジ色の光 軋む階段 コンクリートの壁 薄汚れた絨毯 「かないくん」って絵本 漂白剤のシミ 美味しいコーヒーとガトーショコラ レコードの音楽と子供のはしゃぐ声が重なる “死んだら始まる” 2週間とちょっと後 また訪れる場所 今度来るときは野良本を持…

小さなライブハウスの中では生気が充満していて ただそこにいるだけで窒息してしまいそうだった 分厚い二重扉を押せば寒さが優しく肌を撫でる 妙に明るいシャッター街で肺いっぱいに空気を取り込んだ わたしのいる場所はここじゃないって言われた気がした 逃…

互選

知らない道を歩いていた時に出会った 黒いかたまり二匹に 存在を受け入れてもらえて、 その場を離れるのが惜しくなってしまう程 僕はそいつらを好きになってしまった そういう出会いを大切にしていきたい