地元に帰る高速バスの中で、高校の時のことを思い出した
くそ暑い夏なのに友達と海まで行ったこと
車の免許も持ってなくて、電車や汽車も通ってないから 移動手段は自転車しかなかった
坂道のきつい山道を三人で必死に自転車をこいだ
周りの木が開けた時、急に太陽の眩しい日差しが照りつけるのと同時に、目の前に大きくて青い海がみえたのを まだ覚えている
制服が汗で濡れるのを気にしながら自転車をこいだのを 覚えている
帰りの下り坂で友達が自転車ごとひっくり返ったのを思い出して、バスの中で笑ってしまった
何が可笑しかったって、あの時友達がひっくり返って大変だったのに、痛がる友達の横で大爆笑していた私が可笑しかったのだ
もう一人の友達は心配そうに見ていたが
楽しかった
まだ忘れていない
楽しかったことを思い出せて良かった
いつか忘れそう
きっと忘れてしまった楽しかった思い出は他に沢山ある
まだ覚えておきたい
死ぬまでとは言わないけど
もう少し
私以外の二人は今 仲が悪い
もしかしたらこの事を覚えているのは私だけかもしれない
忘れられた思い出は存在しないのと近い気がする
悲しい