開けた窓から時折抜ける風が心地よくて
このまま死んでしまいたい
と、思った
嵐の過ぎる音が波の音みたいに
押し寄せて引いて水の中にのまれる
水に溶けて消える
僕は今、薄暗い海の中層部を漂ってる
夜が鳴る
開けた窓から時折抜ける風が心地よくて
このまま死んでしまいたい
と、思った
嵐の過ぎる音が波の音みたいに
押し寄せて引いて水の中にのまれる
水に溶けて消える
僕は今、薄暗い海の中層部を漂ってる
夜が鳴る
午前0時30分の帰り道は
靴の裏にガムがついたみたいに
僕の足取りを重くする
耳ふさいだって変な笑い声が耳を突く
切る理由も伸ばす理由もない
中途半端の長さの髪の毛を
無理やり結んだお陰で
後ろの方がよく見える
甘い薬を吐きそうになった
無理やり喉の奥に押し込んだ
涙目になりながら
生きるために飲む薬は
甘くて苦くて吐きそうになるのに
涙目になるのに
それでも飲む
死にたいのに
死にたいのに飲む
耳をふさいだって耳元で囁く声が聞こえる
簡単なことさ 何もかも
熱したフライパンにそっと割り入れるだけ
油をひき忘れないようにね
それなのに僕はさ すぐ割っちゃうんだ
そのたびに寝ぐせのついた頭を落とすんだ
君のうしろを追っかけて 君の真似をしてみるけれど
ありえないぐらいに不器用すぎて また君に笑われちゃうね
割ったら出てくる本音の渦
今なら全部食べてあげられるから
僕にもういちど作っておくれよ
今度はちゃんと 味わうからさ
僕はもうひとりで起きられるよ
5分単位でかけた目覚ましを
止める君がいなくなったからね
君に裏面も見せればよかったのかな
コゲついたそれを見たら きっと君は減滅するさ
朝ごはんのいい匂いで目覚めることも
首や背中が痛くて目覚めることも
蒸発して音を立てて換気扇吸い込まれていった
割ったら出てくる本音の渦
今なら全部飲み込められるから
僕にもういちど作っておくれよ
今更言っても遅いよな
遅いよな
一つじゃフライパンが大きすぎて
せっかくだから割り入れた二つ目が
すべってくっついた
トーストに乗っけるには大きすぎて
はみでて無理して
すべってずり落ちた
割ったら出てくる本音の渦
今なら全部食べてあげられるから
僕にもういちど作っておくれよ
今度はちゃんと味わうからさ
割ったら出てくる本音の渦
今更言っても遅いんだけどさ
僕にもういちど作ってくれよ
今なら全部食べられるから
今度はちゃんと味わうからさ
ひとりになってるのは自分だ
そう言い聞かせないと寂しくて死んでしまいそうで
早く死にたい
私は私に守護呪文をかけてる
代わりはいくらでもいる
そう言い聞かせないと殺されちゃうから
死にたいのにまた
また
暗闇の中で白く光る私の死体を
華奢な君が抱える
明日はよく眠れるように
クッキーの空き箱に詰まった希望を持って
木の枝や葉の隙間から見た君の姿が最後
こっちに向かって走ってた
夏の森の中僕らは息をひそめる
大人にならないようにそっと
口の中の土を奥歯で噛みしめる
大丈夫、お友達はいるから
みんなで重なって
みんなで冬みたいに凍える場所で
かごめかごめをして遊ぶから
大人になれない私たちは
かごめかごめをして遊ぶから
嫌いな夏が
始まった
あれも欲しい
これも欲しい と
いっぱいいっぱい手に取ろうとしたおかげで
こぼれ落ちた夢たちは
私の足場を悪くしました
前にも後ろにも動けなくなった私は
下に沈むしか無くなって
気がつけば辺りは真っ暗でした
耳をすませば聞こえてくるのは
愚痴や嫉妬や妬みばかり
それと現実を突きつける電車の走る音でした
時間通りに聞こえるそれは
まるで自分のようでした
汚いこの手で触れようとすると
綺麗なものまで汚してしまうので
いつも遠くで見ています
しかしそれすらも許されないようで
私は私の目を潰しました
たった一人の味方の私は
私を嫌いになったので
私は世界でひとりぼっち
もうそんな世界に期待するのはやめました
期待をしなくなったら
涙も出なくなって
朝起きたら目が腫れている
なんてこともなくなりました
好きだったあの人も
腹を割って話したあの子も
みんな本当は僕のこと嫌い
死んで欲しいと思ってたみたい
ふたりで語った帰り道
バカ言い合って笑った時間も
全部全部全部全部
みんな死んじゃえ
自分もしんじゃえ