どうでもいいこと

あなたにとってはどうでもいいこと。

どうでもいいこと

午前0時30分の帰り道は

靴の裏にガムがついたみたいに

僕の足取りを重くする

 

 

耳ふさいだって変な笑い声が耳を突く

 

 

切る理由も伸ばす理由もない

中途半端の長さの髪の毛を

無理やり結んだお陰で

後ろの方がよく見える

 

 

 

甘い薬を吐きそうになった

 

無理やり喉の奥に押し込んだ

 

涙目になりながら

 

 

 

生きるために飲む薬は

甘くて苦くて吐きそうになるのに

涙目になるのに

 

それでも飲む

 

 

死にたいのに

 

死にたいのに飲む

 

 

 

耳をふさいだって耳元で囁く声が聞こえる

over side easy

簡単なことさ 何もかも

 

熱したフライパンにそっと割り入れるだけ

 

油をひき忘れないようにね

 

それなのに僕はさ  すぐ割っちゃうんだ

 

そのたびに寝ぐせのついた頭を落とすんだ

 

君のうしろを追っかけて  君の真似をしてみるけれど

 

ありえないぐらいに不器用すぎて  また君に笑われちゃうね

 

割ったら出てくる本音の渦

 

今なら全部食べてあげられるから

 

僕にもういちど作っておくれよ

 

今度はちゃんと  味わうからさ

 

僕はもうひとりで起きられるよ

 

5分単位でかけた目覚ましを

 

止める君がいなくなったからね

 

君に裏面も見せればよかったのかな

 

コゲついたそれを見たら  きっと君は減滅するさ

 

朝ごはんのいい匂いで目覚めることも

 

首や背中が痛くて目覚めることも

 

蒸発して音を立てて換気扇吸い込まれていった

 

割ったら出てくる本音の渦

 

今なら全部飲み込められるから

 

僕にもういちど作っておくれよ

 

今更言っても遅いよな

 

遅いよな

 

一つじゃフライパンが大きすぎて

 

せっかくだから割り入れた二つ目が

 

すべってくっついた

 

トーストに乗っけるには大きすぎて

 

はみでて無理して

 

すべってずり落ちた

 

割ったら出てくる本音の渦

 

今なら全部食べてあげられるから

 

僕にもういちど作っておくれよ

 

今度はちゃんと味わうからさ

 

割ったら出てくる本音の渦

 

今更言っても遅いんだけどさ

 

僕にもういちど作ってくれよ

 

今なら全部食べられるから

 

今度はちゃんと味わうからさ

2万

ひとりになってるのは自分だ

 

そう言い聞かせないと寂しくて死んでしまいそうで

早く死にたい

 

私は私に守護呪文をかけてる

 

 

 

代わりはいくらでもいる

 

そう言い聞かせないと殺されちゃうから

 

死にたいのにまた

 

また

暗闇の中で白く光る私の死体を

華奢な君が抱える

明日はよく眠れるように

クッキーの空き箱に詰まった希望を持って

木の枝や葉の隙間から見た君の姿が最後

こっちに向かって走ってた

夏の森の中僕らは息をひそめる

大人にならないようにそっと

口の中の土を奥歯で噛みしめる

大丈夫、お友達はいるから

みんなで重なって

みんなで冬みたいに凍える場所で

かごめかごめをして遊ぶから

大人になれない私たちは

かごめかごめをして遊ぶから

 

嫌いな夏が

始まった

空腹

あれも欲しい

これも欲しい と

 

いっぱいいっぱい手に取ろうとしたおかげで

こぼれ落ちた夢たちは

私の足場を悪くしました

 

 

前にも後ろにも動けなくなった私は

下に沈むしか無くなって

気がつけば辺りは真っ暗でした

 

 

耳をすませば聞こえてくるのは

愚痴や嫉妬や妬みばかり

それと現実を突きつける電車の走る音でした

 

時間通りに聞こえるそれは

まるで自分のようでした

 

 

 

汚いこの手で触れようとすると

綺麗なものまで汚してしまうので

いつも遠くで見ています

 

 

しかしそれすらも許されないようで

私は私の目を潰しました

 

 

 

たった一人の味方の私は

私を嫌いになったので

私は世界でひとりぼっち

 

もうそんな世界に期待するのはやめました

 

 

期待をしなくなったら

涙も出なくなって

朝起きたら目が腫れている

なんてこともなくなりました

ぷみぷみ

好きだったあの人も

腹を割って話したあの子も

みんな本当は僕のこと嫌い

死んで欲しいと思ってたみたい

 

 

 

ふたりで語った帰り道

バカ言い合って笑った時間も

全部全部全部全部

 

みんな死んじゃえ

自分もしんじゃえ